2月と3月のはざま

2月も終わるのです。

11月の頭に「マクベス」を観劇して、「GANTZ:L」の主演のお知らせがあって、11月の終わりから12月の頭にかけて「終わらない世界」を観劇して、年を越して、1月4日にはバースデーイベントがあって、1月の終わりから2月の頭にかけて「GANTZ:L」を観劇して、個人的にちょっと間を空けて2月中旬、つい一週間ほど前に「マタ・ハリ」を観劇して、気づけば百名のひろちゃんにとってもそしてファンにとっても怒涛と言って良いだろう4ケ月が終わっていました。
「一年前は想像もしていなかった」は常套句すぎてもういいだろう、と思う。もういい、そりゃ想像もしていなかったに決まってる、都度言わなくてもいいことだ、けど、それでもまさに想像もしていなかったことがたくさん起こって実はいまだにびっくりしている。想像もしていなかった、こんなに今楽しいだなんて。百名ヒロキくんのファンでいる今がとても楽しい。

ひろちゃんがひろちゃんとして言葉にしてくれるものと、ひろちゃんが舞台で見せてくれるもの、そんなものたちが私にとってとても好きなものであるという幸せは、すごく、たまたまと言うか、ラッキーと言うか、この幸せはラッキーだ、って日本語が変すぎるけど、ありがたい今なのだなあと。
振り返ることや感傷的になること、そんな言葉を並べることが目的になってしまったらやっぱりダサい、だけどどうやってもいろんな思いを重ねずにはいられないものを、何よりもすばらしい作品を見てしまったからやっぱり言葉にしたくなった。


伊藤万理華 『はじまりか、』

たまたまTwitterで見かけた映像で、伊藤万理華さんのことも初めて知ったので伊藤さんのこれまでのことを何もわかっていない状態で勝手に感動するのもちょっとどうなのとは思う、けど、でも。

可憐な女の子、鮮やかに舞うワンピースが似合っていて、一つ一つの言葉があまりにもやさしくて真摯で、そして軽やかなで柔らかいダンスがとてもきれい。今までの場所から去っていく、そこにいた自分を愛してくれていたファンに向けて語り歌う。

「こんな変な私だけど見つけてくれてありがとう。どうして私を選んだの?どこから巡ってたどり着いたの?」

私は見つけてなんていないって今でも思う。
そこで誰よりも輝いてくれていたから、だから気づくことができた。「この子だ」って思えた。
ぱあっと輝くような笑顔で、今思えばどんなコンセプトだったんだろうと首を傾げたくなるような真っ黄色の衣装で、きれいにきれいに踊っているあの子がそこにいてくれたから、だから気づくことができた。

「よかったら、もしよかったら、一緒に来ませんか?」

ひろちゃんは「卒業」はしなかった。お別れはなかった。新たな道を次の場所をお知らせできるわけでもなかった。
だけど一年、約一年かけてひろちゃんは自分が新たに飛び込んだ世界を見せてくれて、丁寧に投げかけてくれた。これが自分が選んだ道だと、自分がやりたいことなんだと伝え続けてくれた。
最初の頃、私含めかつての、現役でも何でもいいけどジャニオタなんて捨ててほしいと思っていた。かえってじゃまになるくらいなら捨ててねって。だけどひろちゃんは自分の過去を否定しないって言葉にしてくれた、「いろんな思いをさせて」って目一杯言葉を選んでくれた、何度でも思い出していいと言ってくれた、愛し続けていること大切に思っていること今も抱えていることに笑って頷いてくれるように。捨ててくれてよかったのにまるごと連れて来てくれるなんてびっくりして本当に本当にうれしかった。そんなひろちゃんはどこまでもフラットに自由に、そして誠実に自分のこれまでも今もこれからも、自分なのだと教えてくれた。
そしてまた何度でも輝いてくれたから私は新しく何度でも気づくことができた。氏康殿の美しい剣舞と(って言ってたらインスタのストーリーが上がってて驚いた)低くきれいに響く声に、軽やかに愛らしく頼もしく狂言回しの役を果たしていたかと思えば反則だって言いたくなるくらいのダンスを見せてきたトモルくんに、弱さや身勝手さや未熟さからくる振る舞いやそれゆえに力に魅入られて自滅しかけて、だけど自分で答えを出して戦うと決めた玄野くんの繊細な表情の変化と最後のあの声に、死にたくない飛びたくないだけど祖国を守りたいと葛藤し上官に導かれ仲間に支えられ瞳に涙をいっぱい溜めて前を向くピエールに、その美しさも戦争によって砕かれ歪められた彼の変化に、そして「ボクが死んだ日をハレの日にして」と言ったひかるくんの歌声に、そう、役を生きてきたひろちゃんは舞台で何度でも輝いてくれたから、新しく連れてきてくれたこの世界で何度でも「この子だ」って答え合わせできている。

想像もしていなかった。つい数日前、クリエのお知らせメールに名前がなかったなあ、って当時の絶望としか言いようのない気持ちを思い出していたら当の本人がまさにそのクリエで舞台観てきたよ!ってツイッターを更新するなんて、かと思えばブログで現状の力不足と悔しさとそれ以上に絶対に成長するんだと言う意思を、周りへの感謝を、がんばったことに満足しない強さを綴ってくれるなんて。信頼しかないし、かっこいいし、大好きだし、私今ひろちゃんのオタクしててめちゃくちゃ楽しいし、大好きな、私にとって誰よりも美しく踊って楽しそうにステージに立つアイドルはもう更新されないけど、ちょっと不器用で真面目でやさしくて誠実で愛されていていつだってちゃんとひとつ前を飛び越えてきてくれる、実は意外とそれはもうファンを大切にしてくれる俳優さんのこれからが楽しみで楽しみでしかたないよ。

そこに立ち続けてくれてありがとう、輝いていてくれてありがとう、連れてきてくれてありがとう。

2月が、終わります。
3月以降に待っているものも楽しいね、もっともっとたくさんのすてきな景色を見られるよね、「想像もしていなかった」けど、絶対ね。